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こころのQ&A

医師による、こころの病気についてのお話し

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「こころの病気」は、病気にかかっている患者さま自身でもわからないことが多いのに、まして周囲の人に理解して欲しくても理解されにくいことも多いですよね。ここでは「こころの病気」について、当院の医師に聞き、多くの方に「こころの病気」が理解されるように情報を発信していきます。


第六話 病気を理解する…社会不安障害について

あがり症は慣れれば治る?!

人前に出ると「声が震えてしまう」「赤面してしまう」「手足が震えてしまう」というような状態を、従来では「あがり症」などと言われ、性格の問題として扱われていました。しかし、単に性格の問題であれば、同じような状況を繰り返し経験することで、平常心で行動することが出来るようになるはずです。しかし、社会不安障害の人の場合には何度経験しても常に強い不安感、恐怖感を抱き、そうした場面を避ける、または強い苦痛を感じたままで耐え忍んだままで生活をしています。

どのような症状がでるの?

下記の様な他の人から注目を浴びるような状況で強い不安感・緊張感を感じる事が多い。
・ 人前で話をする
・ 人前でサインや記帳をする
・ 人前で電話をかける
・ よく知らない人に電話をする
・ 公共の場(周囲に人がいる状況)で食事をする
・ 上司や目上の人と会話をする
・ 人に見られる状況で仕事や勉強をする
・ 公衆トイレで用をたす
・ 会議や集まりで意見を述べないとならない状況

以上の様な状況で「恥ずかしい思いをするのではないか」「失敗したらどうしよう」などという不安感・緊張感(予期不安)や苦痛を感じたり、その場より立ち去りたい(回避したい)という強い気持ちを覚えたりします。 また、顔が赤くほてる・蒼白になる、脈が速くなり息苦しくなる、汗をかく、手足や全身、声の震えてしまう、吐き気がする、口が渇いてしまう、トイレが近くなる、めまいがする、パニック発作などの身体症状も伴う事も多く、身体症状が更に予期不安や回避行動を増悪させることがあります。

治りますか?

社会不安障害は前思春期から青年期にかけて起こりやすく、一過性のものも含めると人口の約10%に症状が起こるという報告もあります。決してまれな疾患ではなく、海外では多くの方が治療を受けています。

ニートや引きこもりの一部と重度の社会不安障害の関連も指摘されており、また社会不安障害が悪化することでうつ病に進展するケースもあり、思い当たるような症状がある場合には病院で医師に相談してください 。

治療法について

治療は大きく分けて薬物療法と心理療法の二つに分かれます。両方の治療を組み合わせたり、単独で行ったりと状況や病状により様々ですので主治医に相談をしてください。

周囲の対応

単に性格の問題ではない本人の苦痛を理解し、社会不安障害の一般的な知識についての理解を深めることで本人の不安や緊張を和らげる事が出来ます。また御本人の持つ症状を理解しサポートしていく事が大切です。

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