薬局からのおたより

ここでは季節に流行る(流行っている)病気や、薬の情報など私たち薬剤師のお仕事に関係の深い情報をみなさまに提供していきます。少しでも多くの方に興味を持ってもらえるような情報を発信できるようにして行きたいと思います。

もくじ

今年は新型インフルエンザが世界中に大流行をしています。また、これから寒い時期になるにつれ、風邪や季節型のインフルエンザへの心配が発生してきます。 インフルエンザや風邪を未然に防ぐために今回は「消毒薬」についてご案内いたします。

消毒液

イメージ写真消毒とは、人体に有害な微生物の感染性を物理的、化学的手段を用いてなくすか、菌量を少なくすることです。物理的方法として煮沸、紫外線照射など、化学的方法として消毒薬などがあります。病院内では、さまざまな消毒薬が使用されていますが、今回はご家庭でよく使われる消毒薬を取り上げます。消毒薬を使用する際の参考にしてください。

次亜塩素酸ナトリウム

塩素系漂白剤の成分です。現在販売されている漂白剤は酸素系のものがほとんどですが、塩素系は色柄ものに使用できないタイプの漂白剤で「まぜるな危険 塩素系」と表示されています。また、ふきん・食器の漂白や、哺乳瓶の消毒にも使用されます。

薄めて使用しますが、商品によって濃度が異なることがありますので、使用方法を確認してから使用してください。酸性のものを混ぜると塩素ガスが発生し、吸い込むとのどの痛み、咳や嘔吐が生じますので、取り扱いには十分注意し、単独で用いることをおすすめします。また、金属のものは使用すると錆びてしまいますので、使用は避けてください。

使用後はしっかりフタをし、光の当たらない冷所に保管してください。 スプレータイプのカビ取り剤の多くも次亜塩素酸ナトリウムが含まれていますが、ボトルタイプのものより濃度が薄くなっていますので、薄めずそのまま使用します。

ポビドンヨード

ポビドンヨードは黒褐色の消毒剤で、傷や粘膜の消毒、またうがい薬としても使われます。ポビドンヨード液は原液のまま、ポビドンヨードガーグル(うがい薬)は薄めて使用します。うがい薬として販売されているものは、エタノールや香料が添加されていますので、傷のある皮膚や粘膜の消毒には使用できません。(うがい用に薄めた液は、口の中の粘膜や傷がある場合に使用できます。)また、商品によって使用方法が異なることがありますので、使用の際は使用方法を確認してください。

保管する際は、製品の温度が上昇しないよう直射日光を避けるようにしてください。

消毒用エタノール

洗うことができないドアノブや冷蔵庫などの消毒ができ、カビの発生予防も期待できます。薄めず原液のまま使用します。消毒したい所を、消毒用エタノールを染みこませた布や脱脂綿などで拭き取ってください。 刺激性が強いので、粘膜や傷がある部分への使用は避けてください。手洗いの後に使用する速乾性手指消毒薬(※)の主成分はエタノールです。手荒れがある場合は使用しないでください。 可燃性および引火性ですので、火気には十分注意が必要です。また1度に広範囲使用することも危険です。揮発性ですので、使用後はしっかりフタをし、直射日光の当たらない涼しい場所で保管してください。

※【速乾性手指消毒薬】

手洗いのイメージ写真日常の手洗いでは石けんでしっかりと洗い、水でしっかりと流します。インフルエンザなどの感染症の流行時は、洗った後に速乾性手指消毒薬を使用するのもよいと思います。速乾性手指消毒薬は、手洗い後、手を十分に乾燥させてから使用します。直接手にとり、手指全体によくすりこみます。

消毒剤を効果的にまた安全に使用するために、使い方を確認し、使用上の注意をよく読んでから使用するようにしてください。

積善会グループについて

公益財団法人 積善会 曽我病院

〒250-0203
神奈川県小田原市曽我岸148
Tel:0465-42-1630(代)
Fax:0465-42-1635